ゲームのイラストレーターになるには
イラストレーターの中には、ゲームにおいてのイラストを中心に仕事をしている人達がいます。 ゲームが好きで、さらに絵を描くことも好きだという人にとっては、ゲームイラストレーターはまさに天職とも言えるような仕事ですよね。 ゲームイラストを描くためにイラストレーターをめざしている人も多いのではないでしょうか。
ここではゲームイラストレーターという仕事についての現状や勤務形態、必要な能力等に触れながらお話ししていきます。
ゲームイラストレーターとは
イラストレーターの中でもゲームイラストの分野を専門に活躍する人達のことを、ゲームイラストレーターといいます。 ゲームに登場するキャラクター等の絵を描く仕事で、最近では特にスマートフォン向けのソーシャルゲームの案件が非常に多くなっているようです。
イラストレーターという職業はなかなか1つの分野の仕事だけで生活することが難しく、ゲームイラストレーターとしてゲームのイラストを主に請け負っている人でも、他の媒体のイラストやキャラクターデザインの仕事等を並行していることが多いです。
ゲームイラストレーターの現状
ゲーム業界というのは移り変わりの激しい世界です。およそ50年前に登場したアーケードゲームから家庭用ゲーム機であるコンシューマーゲームに流行りが移り、その後PCで行うソーシャルゲームが登場し、さらに現在ではモバイル向けのソーシャルゲームが市場で圧倒的な売上げを見せています。モバイルのソーシャルゲームは進化を続けており、ゲーム自体のシステムやビジュアルの完成度等、その質の水準はどんどん高まってきています。
2000年代、ソーシャルゲームが普及して間もなくの頃には、ゲームのイラストレーターにそこまで高い質やテイストの一貫性は求められておらず、とにかく大量のイラストが求められるような状況でした。しかし近年のソーシャルゲームにおいてはビジュアルのテイストの一貫性が求められ、ゲームのイラストレーターの仕事の質の重要性も高くなっています。
モバイルのソーシャルゲームの普及以降、ゲームのイラストレーターの需要は大幅に増加しましたが、先に述べた近年の傾向のために現在ではゲーム業界で求められるイラストレーターの素質が変わってきています。かつては質より量が求められていたのが、現在では質を重視できるゲームイラストレーターの需要が高まっています。 具体的には、あらかじめ設定されているキャラクターの絵柄をいかに忠実に再現できるかという能力や、クライアントの要望への対応力、また、流行りに応じてテイストを変えられる柔軟性等がイラストレーターに求められています。そのため、これからの時代をゲームイラストレーターとして生きていくためには、相応の器用さが必要になると考えられます。
ゲームイラストレーターに必要な能力
描ける絵の幅が広い
現在のイラストレーターには、さまざまな案件においてそれぞれのゲームのテイストを忠実に再現できる、つまり絵柄を描き分けることのできる幅の広さが求められます。 イラストレーターはリアルな人間のイラストを描く場合もあれば、空想上のモンスターのイラストを描く場合もあり、それらを流行やクライアントの意向を踏まえながら描き分けていく必要があるのです。
デジタルイラストが描ける
ゲームイラストレーターに必須のスキルが、デジタルイラストのスキルです。現在のゲーム業界では、PCソフトを使って描くイラストが基本になっています。 そのためイラストレーターは基本的なPCスキルに加え、さまざまなイラスト制作ソフトの使い方を習得していることが必須です。
2Dイラストの場合は「SAI」や「CLIP STUDIO PAINT」、3Dイラストの場合には「Maya」、そしてどちらの場合にも必要なのが、有名な『Adobe』社の「Illustrator」と「Photoshop」になります。 勤め先やクライアントによっても使用するソフトが変わってくるため、できるだけ多くのソフトを使いこなせるイラストレーターの方が仕事の幅が広がるでしょう。
クライアントの要望を汲み取る
これは特にフリーランスのゲームイラストレーターに言えることですが、クライアントとの関係はその後の仕事に大きく影響してきます。 クライアントは必ず何かしらのイメージや意向を持っています。どれだけスキルのあるイラストレーターでも、要望を聞かずに好きなように描かれてしまっては、また仕事を依頼しようとは思ってもらえません。 クライアントの要望をしっかり聞いて理解した上で、流行や専門知識を踏まえて描くことが重要です。
会社員かフリーランスか
ゲームイラストレーターの主な勤務形態として、ゲーム会社の社員としてイラストを描くか、フリーランスイラストレーターとしてクライアントから直接仕事の依頼を受けるかの2つがあります。
ゲーム会社に勤務するメリットとして、安定した仕事と給料が保証されるということが挙げられます。また、仕事を取るために営業をする必要がないため、イラストレーターの仕事に集中できるというメリットもあります。
一方、フリーランスイラストレーターのメリットとしては、自分のタイミングで仕事ができることや、仕事が多ければ多いほど稼ぐことができるということが挙げられます。 各々の仕事のスタイルや性格によってどちらが合うかは変わってくるため、自分にあった形態で仕事をしていくことをおすすめします。
ただし、未経験からいきなりフリーランスで仕事をするというのは実はとても難しいです。現在、フリーランスのゲームイラストレーターとして活躍している人でも、そのほとんどが以前にゲーム会社等に勤めていた経験があります。 会社に所属して仕事をしながら業界にツテを作り、個人でも仕事が入るだろうという目処が立った段階での独立が最も現実的でしょう。
まとめ
モバイル向けソーシャルゲームの市場が拡大している今、求められるゲームイラストレーターのスキルも変わってきています。 長くイラストレーターとして仕事を続けていくためには、器用さや柔軟性を重視していく必要があります。
これからのゲーム業界を生き抜くために、業界の動向や傾向には目を向けておきましょう。