「ホラー小説家をめざしているけど書き方がわからない」
「アイデアが浮かばない」
そんな悩みはありませんか?
本記事ではホラー小説の書き方について、基本やアイデアの考え方、書く時のポイントを解説します。趣味でホラー小説を書きたい方はもちろん、ホラー小説家をめざしている方もぜひ参考にしてください。
ホラー小説とは
ホラー小説とは「恐怖」を主題(テーマ)にした小説のことで、読者に恐怖感を与えることに重点を置いた作品を指します。
さまざまな事件が起こるミステリー小説やサスペンス小説に似た側面がありますが、ホラー小説は超自然的要素を伴う作品であり、上記2つのジャンルと違って推理や事件の解決等を必要としません。
>>ミステリー小説の書き方とは?ポイント紹介
>>サスペンスの書き方|鮮やかに読者を騙す三つの方法を紹介
一方で「ミステリーホラー」「サスペンスホラー」といった2つのジャンルの特徴を併せ持つホラー小説も存在します。
ホラー小説を書き始める前に
ホラー小説を書き始める前に、まずはすべてのジャンルに共通する小説執筆の基本を押さえておきましょう。
プロットを用意する
プロットとは構成や筋書きのことで、小説の執筆においては「設計図」の役割を果たします。
事前に大まかなストーリー展開や登場人物、世界観等を決めておくことで、矛盾のない説得力のある物語を書くことができます。また、展開の仕方や結末で迷うことが減り、執筆がスムーズに進みます。時間効率の面でも作品の質の面でも、プロットはとても重要です。
プロの作家の中にはプロットをつくらないという方もいますが、そのような方々は頭の中でプロットを練っているケースが大半です。始めは紙に書いたり、テキストエディターに打ち込んだりして、きちんと目に見える形で用意しましょう。
小説執筆のルールを理解する
小説を書く前に、執筆に関するいくつかのルールを知っておきましょう。
特に初心者が理解しておきたいのは約物(記号)の使い方です。「…(三点リーダー)」や「―(ダッシュ)」は2つ連続して「……」「――」と使うのが基本となります。小説を書き始めたばかりの方が間違えやすい部分なので意識しましょう。
また、「!(感嘆符)」や「?(疑問符)」の後は全角の空白を入れます。ただしこちらは例外があり、文末に上記2つの約物が来る場合や、約物の前後で文章が途切れない場合は空白を入れません。
他にも括弧の使い方等、作者の自由に書かれているように見える文章ですが、実はさまざまなルールに則っています。小説家をめざすのであれば基本的なルールを押さえるのは大前提なので、実際に物語を書き始める前に学んでおくべきと言えます。
ホラー展開をつくるアイデア
ここからはホラー小説ならではの展開をつくるきっかけの一例を紹介します。アイデアを出したり、プロットを作成したりする際にお役立てください。
特別な日を設定する
ある特別な日を境に物事が起こり始めるというストーリー展開は定番です。例えば一部地域で不吉な日と考えられている13日の金曜日、怪物やお化けと縁が深いハロウィン等が知られています。
他にも実在する祭りやイベントをきっかけにするケースがよく見られます。
道具やアイテムをきっかけにする
道具やアイテムをきっかけに恐ろしい出来事が起こり始めるというストーリー展開です。スマートフォンやパソコン、テレビ等身の回りにある物がきっかけになるケースもあれば、古くから伝わるお宝、遺跡に眠る秘宝等、特別な物がきっかけになるケースもあります。
特別な日を設定するケースに比べて時期や時間帯に左右されにくく、いつでも物語を始めやすいのが特徴です。
襲い来る悪役をつくる
恐怖を煽る存在として、登場人物達を襲う悪役をつくり上げるのもアイデアの1つです。その際は攻撃することができない、倒しても蘇る等、簡単に退けることができない設定とすることで、より与えられる恐怖感が増します。
登場人物を孤立させる
誰も頼れない孤立した状況には多くの人が恐怖を感じます。仲間とはぐれる、外部と連絡をとれない等、登場人物達が孤立するような状況をつくることで、それだけで恐ろしい雰囲気を演出できます。
登場人物が一人ずつ減っていく展開もホラー小説の演出として効果的です。
ホラー小説を書く時の3つのポイント
続いて、ホラー小説を書く時のポイントを3つご紹介します。
1.自身の恐怖をもとにする
ホラー小説でリアルな恐怖を読者に与えるためには、まず自分自身が恐怖の感情を言語化できなければなりません。「何に対してどのような恐怖を感じたのか」を表現するためには、自身が感じた恐怖をもとにした展開や演出にするのがポイントです。実際に体験した恐怖はもちろん、小説を読んだり映画やドラマを観たりして覚えた恐怖を参考にするのも良いでしょう。
2.読者の感情にリンクする恐怖を含める
ホラー小説では、当然読者にも恐怖を感じてもらわなければなりません。このため、ターゲットとなる読者が想像しやすい恐怖や、経験したことがあるような恐怖を取り入れることも大切になります。
例えば夜の帰り道で正体不明の存在に襲われる、停電した自宅で物音がする等は、多くの人の日常に結びついていてリアルな恐怖を感じやすいです。
このように、読者の感情にリンクする内容を小説の中に含めることを意識しましょう。
3.ジャンルを決める
これはプロット作成に関わるポイントですが、ホラー小説は細分化すると「心霊」「伝染病」「サイコパス」等のジャンルに分けられます。あらかじめジャンルを決めておくことでストーリー展開や作品内に取り入れる演出を考えやすく、臨場感のある物語になります。
迷ったら、最初は「伝染病」のような自らの経験と結びつけやすく、読者が想像しやすいジャンルを選ぶことをお勧めします。
ホラー小説家になるには
ここまでホラー小説を書くにあたってアイデアの考え方や、実際に書く時のポイント等を解説しました。しかし、本当にホラー小説家になりたいと思った時、もっとも大事なのは少しでも多くの作品を読み、そして書くことです。これを繰り返すことで想像力や表現力が広がり、ホラー小説家になるという夢を叶えることにつながります。
まとめ
本記事ではホラー小説の書き方について、基本やアイデアの考え方、書く時のポイントを解説しました。
小説を書くのならジャンルに関係なく、まずはプロットを用意することと、執筆における基本のルールを押さえる必要があります。そのうえでホラー小説ならではのアイデアを考えたり、恐怖を与える展開や演出、表現等の工夫を凝らしたりすることが大切です。
しかし、一番大事なのは読むことと書くこと。これらの経験が少なければおもしろい物語を生み出すことはできません。
また、実践的な技術をプロから学ぶのも効果的です。個人でプロに指導を頼むことは難しいですが、専門学校デジタルアーツ東京ならば現役プロ作家による指導を通して、自らもプロとしてデビューするための力を身につけることができます。
本気でプロのホラー小説家をめざしている方は、ぜひ環境にもこだわってみてください。
>>【初心者編】小説の書き方とは?物語をつくる四つのステップ
>>専門学校デジタルアーツ東京 体験入学
>>専門学校デジタルアーツ東京 説明会・学校見学