アニメプロデューサーへの就職とキャリアアップとは
アニメ制作の統括的な立場として全工程に携わって仕事をしているのが、アニメプロデューサーです。 プロデューサーは制作陣の中で最も大きな責任のある役職であり、就職後すぐに就けるものではありません。
では、アニメ業界においてどのようにキャリアアップしていけば、プロデューサーになることができるのでしょうか。 ここではアニメプロデューサーをめざす人の就職やキャリアアップについてお話ししていきます。
プロデューサーへのキャリアアップとは
アニメ制作の現場には、大きく分けて演出部と制作部の2つの部署があります。 演出部が作画や音響等、実際の制作活動を行う部署であるのに対し、制作部は予算管理やスケジュール管理等、制作を進めるため仕事をこなしていきます。
これらを管轄するのがプロデューサーであり、立場としては制作部のトップということになります。そのため、プロデューサー職に就くためには制作部でキャリアアップしていくことが必要なのです。
制作進行からスタート
制作部に所属して仕事をする場合、まず最初に就く役職は「制作進行」です。 制作進行は、演出部のアニメーターが描いた作画の進捗の確認や回収、各役職間の伝達・運搬係等といった仕事をしています。
制作進行でしばらく経験を積んでいくと、「制作デスク」に昇進します。制作デスクはその作品に携わる数人の制作進行を統括する立場で、主に予算やスケジュールを管理します。
制作デスクとしてさらに経験を積んでいくことで、プロデューサーに昇進することができます。就職後、数年でプロデューサーまで登りつめることができるような人はほとんどおらず、少なくとも10年ほどは下積みが必要であると考えておいた方が良いでしょう。
制作進行の仕事について
プロデューサーになるために、制作進行の仕事は避けては通れない道です。プロデューサー志望の人であれば必ず経験しなければならない仕事であるため、どのようなことをしているのか理解しておきましょう。
まず制作進行の主な業務はスケジュール管理になります。作画、背景、配色、撮影がそれぞれいつまでに各々の仕事を仕上げればいいのか、全体のスケジュールと照らし合わせて考え、狂うことなく進んでいくように管理するのです。どこか一箇所でも締め切りに遅れてしまうと各セクションに影響を及ぼしてしまい、制作進行が責められてしまう可能性もあります。 そのため、それぞれのセクションの作業や能力を理解し、こまかなコミュニケーションを取る必要があります。制作進行の能力次第では現場が非常に円滑に進むということもあるので、向上心を持って取り組むことが大切です。
また、作画の印刷や配布、移動車の運転、食事の手配、掃除等といった雑務も制作進行の重要な仕事です。自分の仕事がなくても作画の上がり待ち等で時間を取られることもあり、勤務時間が長くなることも覚悟する必要があります。
制作進行への就職
アニメ制作においての制作進行は、テレビ業界で言うところのADのような存在です。 そのため、就職すること自体はあまり難しくありません。基本的に未経験可としている求人が多く、学歴も不問のところが多いです。
しかし、普通自動車免許は取得している必要があります。制作進行の仕事には移動車等の運転があり、ほとんどの求人では普通自動車免許が必須です。そこさえ押さえていれば、すぐに制作進行として仕事に就くことができるでしょう。
求人の多くは制作会社のものになります。正社員や契約社員としての採用もあれば、業務委託でフリーランスとして勤務する形態のところもあります。勤務形態に関しては自分の意向に合わせて決めていきましょう。
まとめ
アニメプロデューサーになるには、制作進行から制作デスク、そしてプロデューサーへとキャリアアップしていく必要があります。
制作進行の仕事は雑務のようなものも多く、勤務時間も長いため挫折してしまいそうになることもあるかもしれませんが、耐えしのいで経験を積んでいけばきっとプロデューサーとしてアニメを制作することができます。
まずはどのような制作会社に就職するか、慎重に決めていきましょう。