フィギュア業界に関して
艦艇プラモが売れる理由
プアニメに登場するロボットや、バイクや車などの乗り物がよく取り上げられる模型業界で、「第二次大戦期の旧日本海軍の艦艇」のプラモデルが今注目を集めています。現代的なフォルムとはかけ離れたこのジャンルが、なぜ売り上げを伸ばしているのか。今回はその背景を探ってみました。
今回の事態の真相は、模型業界よりもゲーム業界が深く関わっています。ブラウザーゲームで大ヒットを記録した「艦隊これくしょん―艦これ―」がその要因です。このゲームは第二次世界大戦期の旧日本海軍などの艦艇を取り上げたもので、実際に存在した艦艇を「擬人化」させたキャラクターを戦わせるという内容になっています。現在のユーザー数は190万人を突破し、テレビアニメ化も決定している人気タイトルです。
この擬人化されたモデルとなった艦艇の模型を、ユーザーが購入する現象が起きているのです。「艦これ」ブーム以前は50代以上の男性が主な購買層だったのに対し、ブーム以降は20代、30代のファンが急増する客層へ。全体の売り上げは前年度の5倍を記録し、生産が追いつかずに品切れ状態が続いているモデルも存在しているようです。高齢化が進むミリタリー関連のプラモデルに対し、若者が興味や関心を抱くきっかけを「艦これ」が与える形となりました。
プラモデルを扱う店舗側も、店内に「艦これコーナー」を設けて売り上げを拡大。メーカー側も「艦これ」との正式なコラボモデルを発売し、こちらも好調な売り上げを記録しているとのこと。関連グッズの展開も拡大されている今、「艦これブーム」とそれに伴う艦艇プラモデルの躍進は、まだまだ続いていくことが期待されます。