ゲームプログラマーに求められる能力とは
ゲームプログラマーとは、企画書やデザインを元に、実際にゲームの中身をつくり込んでいく職業です。
特別な資格は必要なく、誰でもゲームプログラマーをめざせますが、持っていたほうが良い能力があります。
そこで今回はゲームプログラマーに興味がある方へ向けて、ゲームプログラマーに求められる「必要なプログラミング言語」「知識」「スキル」をご紹介します。
プログラミングスキル
「ゲームプログラマー」という名が示す通り、プログラミングの能力は必須です。
プログラミングスキルがない場合、「この作業をやってほしい」と指示されたとしても言葉の意味や進み方がまったく分からない、ということになりかねません。
ゲームプログラマーとして働きたいのであれば、まずは事前に独学や専門学校で学び、自力でプログラムを書けるようになりましょう。
ゲームの種類によって求められるプログラミング言語は異なる
ゲームプログラマーがゲーム開発で使う主な言語には、主に以下があります。
- C#
マイクロソフトがつくった言語。ゲーム開発で人気が高まっている - C++
C言語の発展版。難解だが処理が速く、ゲーム開発で一般的 - C言語
古くから使われている。派生言語が多い - Java
ゲームの他、多くのシステムで使われる汎用性の高い言語 - JavaScript
すべてのWebブラウザで動く唯一の言語。Javaとは別物 - Ruby
シンプルで習得しやすい。日本語の解説サイトも多い - Swift
Appleがつくった言語。MacOSおよびiOS向けのゲームで使われる
このように、プログラミング言語は数多くありますが、ゲームの種類によって使われる言語は変わってきます。
それでは、各ゲームの種類ごとによく使われる言語をみていきましょう。
コンシューマゲーム
家庭用ゲーム機で遊ぶゲームのことです。
開発には、主に「C言語」「C++」「C#」が使われています。
なお、家庭用ゲーム機とは、据え置き型のPlayStationやNintendo Switch、携帯型のPS VITAや3DS、Nintendo Switch Light等のことです。
オンラインゲーム
インターネットに接続して遊ぶゲームのことで、パソコンの他、家庭用ゲーム機でも遊べます。
開発には、主に「C#」「Java」「JavaScript」「Ruby」が使われています。
スマホゲーム
スマートフォンで遊ぶゲームのことです。
開発には、主に「C#」「Java」「Ruby」「Swift」が使われています。
注意点として、スマホのOSにはAndroidとiOSの2種類がありますが、SwiftはiOS向けの言語となっています。
ゲームプログラマーとしてつくりたいゲームがはっきりしているのであれば、そのゲーム開発で用いられる言語を身につけるのが近道です。
また、働きたい会社の情報や傾向を調べ、必要な言語を習得するのもおすすめです。
ハードウェアやネットワークに関する知識
ゲーム制作においては、実際にプレイする機器や、通信するためのネットワークシステムに関する情報が必要です。
また、開発途中やリリース後でトラブルが発生した際、ユーザーに不利益がないよう、スピーディかつ適切に対応しなくてはなりません。
このように、ゲームプログラマーはただプログラミングができれば良いという訳ではなく、ハードウェアやネットワークに関する知識も押さえておく必要があります。
知識例として、以下が挙げられます。
- CPU
コンピュータの頭脳。『中枢演算処理装置』 - メモリ
一時的に作業内容を記録する『主記憶装置』 - ファームウェア
ハードウェアの制御ソフト - オペレーティングシステム
パソコンやスマホを動かすための基本ソフト。『OS』 - グラフィックボード
より良い画像・映像を入出力するハードウェア - サウンドボード
より良い音響を入出力するハードウェア - ロードバランシング
一つのサーバに負荷が集中しすぎないようにすること。『負荷分散』 - 通信プロトコル
通信に関する規約 - パケット
データを分割した時の単位
数学や物理に関する知識
ゲームのプログラミングにおいては、キャラクターや物体を動かすために、数学や物理の知識を用います。
例えば、「ベクトル」や「三角関数」、「ニュートン力学」等です。
ゲームの中で現実的な動きを再現しようと思えば、これらの知識は欠かせません。
現在は、開発ツールを使うことで、ゲームプログラマーの知識不足を補うことができます。
しかし、「スムーズに作業を進めたい」「高度なプログラミングを行いたい」というのであれば、数学や物理の知識を学ぶ必要があります。
論理的な思考力
論理的な思考とは、簡単にいえば「筋道立てて考える」「理詰めで考える」ということです。
何をどうするとどのような結果が起こるのかを考え続けることで、効率的にプログラミングできるようになります。
コミュニケーションスキル
ゲーム開発は、ゲームプログラマーが一人でできるものではありません。
企画をまとめるプロデューサー、ゲームを設計するゲームデザイナー、絵や音楽をつくるアーティスト等、さまざまな人達が協力し合って、一つのゲームが生まれます。
その過程では、課題を話し合ったり、手分けしてトラブルに対処したりする等、人とのコミュニケーションが必須となる場面が何度も現れます。
円滑にゲーム開発を進めるために、コミュニケーションと協調性を身につけましょう。
コミュニケーションが苦手ならば、「挨拶」「はっきりした返事」「傾聴」の三つを意識してやってみることから始めましょう。
まとめ
ゲームプログラマーに求められる能力を、改めてまとめます。
- プログラミングスキル(ゲームの種類によって必要な言語は異なる)
- ハードウェアやネットワークに関する知識
- 数学や物理に関する知識
- 論理的な思考力
- コミュニケーションスキル
将来ゲームプログラマーとして活躍したい方は、ぜひこれらの能力を身につけましょう。
すべて独学で学ぶこともできますが、「効率的に学びたい」「一人だとつい勉強をさぼってしまう」というお悩みがあるかもしれません。
おすすめなのが、専門学校等で学ぶ方法です。