イラストレーターとマンガ家の違いについて
同じく絵を描く仕事でも、イラストレーターとマンガ家の役割は異なってきます。 何となくイメージはついているかもしれませんが、具体的に何が違ってくるのか、マンガ家やイラストレーターをめざしている人でもなかなか説明できないはず。
そういった疑問を解消すべく、今回はイラストレーターとマンガ家の違いについて見ていきます。
求められる絵
まず何よりも、マンガ家とイラストレーターでは求められる絵が異なります。 マンガ家は、ストーリー性、コマ割り等を駆使して長期的な物語を1つとして評価されます。 そのため、絵のうまさやデッサン力で勝負というよりも、ストーリーのおもしろさやキャラクターの魅力で読者を引きつけることを主なフィールドとして仕事をします。
一方で、イラストレーターは、1枚の絵に魅力を詰め込みます。 そのため、イラストレーターはデッサン力が高い上に世界観やストーリーを1枚で表現する構成力が重要になります。
マンガ家とイラストレーターの仕事はどちらかが簡単ということはなく、求められることが違うだけで難易度は非常に高いものになります。 端的にいうと、長期的に楽しませるのがマンガ家、短期的に楽しませるのがイラストレーターという違いでしょうか。
必要となる能力・資質
マンガ家にとって大切な能力として、逆算力が挙げられます。 マンガの結末を最初に考えてから、逆算して描き始めなければなりません。 そうしなければ、軸がブレて結局何が伝えたいのか分からない物語になってしまいます。
そのため、マンガ家にとって、逆算してストーリーを構成する力が必要になります。 イラストレーターにとって必要な資質として、修正する能力が考えられます。 基本的にイラストレーターの仕事は、デザイン事務所などからの発注によるものです。 そのためイラストレーターは、自分の世界観だけで絵を描いて完成というわけにはいきません。 でき上がったイラストを発注者のイメージに近づけるために修正することがほとんどです。 指摘された部分を加筆していく、修正技術やアドバイスを素直に受け入れることが、イラストレーターにとって重要な資質となります。
プロとして働くキャリアプラン
プロとしてマンガ家のキャリアをスタートさせるためには、公募のマンガ賞への持ち込みや出版社の持ち込みを行いながら、マンガ家アシスタントとして現場を学んでいくことから、始まるのが一般的です。 マンガ家として求人募集をしていることはまずないので、アシスタントとしてマンガを学びマンガ賞や出版社から声をかけられてやっと、プロとしてのマンガ家キャリアをスタートすることができます。そのため、マンガを描き続けることが何よりも大切なことになってくるでしょう。
一方でイラストレーターは、美術大学や専門学校卒業後、デザイン事務所や出版社、新聞社等に入社してイラストレーターとしてのキャリアをスタートさせます。 会社でイラストレーターとしての経験を積んだ後、フリーイラストレーターとして活躍する方が非常に多いキャリアプランです。
イラストレーターとして活躍するためには
プロのイラストレーターとして活躍するためには、伝わりやすいイラストを描くことです。 アートの中には、パッとみて難解な絵画等、前衛的なものが評価されますが、イラストレーターは、誰にとっても分かりやすくメッセージが伝わるものを描かなければなりません。 イラストレーターの仕事は、発注者が求めるイラストを描くことです。 自分の世界を描きたいという気持ちも分かりますが、イラストレーターとしてキャリアを築き上げていくためには、自分の名前がイラストレーターとして有名になるまで、依頼にしっかりと応えたイラストを描き上げる必要があります。
専門学校出身のイラストレーター
星乃 有紀(ほしの ゆき)
学校名
- デジタルアーツ東京
- イラスト学科キャラクターデザインコース 2015年3月卒
作品名
「雪の降る日」
河山 流(かわやま ながれ)
学校名
- 日本デザイナー学院
- グラフィックデザイン科 卒業
作品名
「Hallo ween2015」「SHOW TIME」「gray world」
木村 豊(きむら ゆたか)
学校名
- 日本デザイナー学院
- グタフィックデザイン科 1988年3月卒
作品名
「SEKAI NO OWARI/Hey Ho」「ねごと/アシンメトリe.p.」「スピッツ/醒めない」
近藤 雅之(こんどう まさゆき)
学校名
- 日本デザイナー学院
- グタフィックデザイン科 2005年3月卒
作品名
「映画『モンスターストライクTHE MOVIE』 キャラクター」
まとめ
イラストレーターとマンガ家の違いは、比べてみるとたくさんありました。 求められる絵や能力が大きく異なってきます。 そのため、ひとえに絵を描くことを仕事にするといっても、イラストレーターとマンガ家は全く別の職種になってきます。 絵を描くことを仕事にしたいと考えている方は、自分と向き合いどのようなジャンルでやっていきたいのかを改めて考えてみましょう。