「世界を魅了する日本の漫画」
「一休さん」、「美少女戦士セーラームーン」、「ドラえもん」。いずれも日本に馴染みの深い名作ばかりですが、これらの作品は世界でも知られていることをご存じでしょうか。今回は日本のアニメ・漫画が誇る強大な影響力について紹介していきます。
日本のアニメ・漫画業界の発展には、海外にはない日本人のある考え方が大きな影響を及ぼしています。それは「アニメ・漫画は子どもだけのものではない」というものです。1970年代以降、日本はアニメ・漫画のメインターゲットは低年齢層の子どもではなく、より幅広い中年層まで広がることに気づきました。その時から、アニメ・漫画は児童向け文化の領域から、映画や商業音楽と同じカテゴリとして発展を遂げていったのです。
1980年~1990年代になると、日本のアニメ・漫画業界は学校や職場、創造の世界などを舞台にした優れた作品を大量に生み出してきました。秋葉原などの新しいオタク文化が生まれたのも、ちょうどこの時期です。ここから「成長」や「熱血」など、青春期の少年や少女の心理描写を軸に、日本アニメ・漫画の独特なスタイルが形成されていきました。同時に、知的財産権の保護が重要視されたことも、日本漫画の想像力を保ち続ける原動力となったのです。
2000年代以降、インターネットの普及により、日本のアニメ・漫画は瞬く間に世界へ広まっていきました。前述した通り、日本はアニメ・漫画文化における土台が固まっていたため、その考え方は世界レベルで受け入れられるものにまで発展しました。近年ではスマートフォンの普及と、それに伴う電子書籍の台頭により、日本の漫画作品に触れる機会が更に増加しています。
世界を魅了した日本の漫画作品において、もうひとつ興味深い点をあげるなら、それは作品が「海外受け」を意識したものでは決してないということです。グローバル基準のものが好まれる現代社会において、「民族性」をこれほどまでに残し、世界に受け入れられる日本の漫画作品。それは独特の文化を形成しており、これからも興味の尽きないテーマだと私たちは考えます。