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ライトノベル作家をめざすのに年齢制限はある?歴代の新人賞をチェック

ライトノベル作家をめざす時、気になるのが年齢。
果たしてライトノベル作家をめざすのに、早すぎる、あるいは遅すぎるということはあるのでしょうか?

今回は、ライトノベル作家の年齢制限について考察してみます。
ライトノベル作家になりたいけれど年齢的にどうだろう、と迷っている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

歴代のライトノベル新人賞の受賞年齢は?

まずは、歴代のライトノベル作家の新人賞受賞年齢を見てみましょう。

電撃小説大賞

第23回 安里アサト 30歳 / 佐野徹夜 29歳
第22回 松村涼哉 21歳 / 角埜杞真 36歳
第21回 鳩見すた 38歳 / 新田周右 24歳
第20回 虎走かける 26歳 / 木崎ちあき 24歳
第19回 茜屋まつり 42歳 / 桜井美奈 37歳

MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞

第16回 緑青漠 32歳
第15回 二語十 26歳
第14回 林星悟 27歳
第13回 樫本燕 21歳
第12回 絵戸太郎 28歳

集英社ライトノベル新人賞

第9回審査員特別賞 河鍋鹿島 31歳 / 常世田健人 25歳
第8回銀賞 景詠一 27歳
第7回金賞 森月真冬 35歳
第6回特別賞 神庭武敏 28歳
第5回特別賞 妹尾尻尾 34歳

年齢を非公開にしているライトノベル作家も多いのですが、近年の新人賞では20代後半〜30代の受賞者が多い傾向にあります。

思ったより高いと感じた方も多いのではないでしょうか。

ちなみにGA文庫大賞に応募したライトノベル作家の平均年齢は約28歳。
下は15歳から上は56歳までと、幅広い年齢層からの応募があったようです。

20代でデビューするライトノベル作家が多い理由

とはいえ、ライトノベル作家は一般小説の作家と比べるとデビューする年齢が若いです。

先程ご紹介した新人賞の歴代の受賞者は過半数が20代となっていますが、その理由を考察していきましょう。

ライトノベルの読者は若年層が多い

ライトノベル作家のデビュー年齢が20代と若い理由、それはライトノベルの読者層が10~20代の若年層に集中しているという理由が挙げられます。

一般小説なら積み重ねた人生経験が武器になり、その経験をもとに作品を生み出すので、年齢を重ねれば重ねる程に有利になる面があります。
さらに一般小説は、下は10歳から上は100歳の人まで読者層もさまざまです。

しかし、ライトノベルの読者はおおむね10~20代。
ライトノベル作家をめざす人はほとんどが作品を読んで「こんなライトノベルを書きたい」「ライトノベルが好きだから自分でも書いてみたい」と思うことが多いです。

そのため「読者層=ライトノベル作家の年齢層」となり、必然的にライトノベル作家のデビュー年齢も若くなっているという訳です。

若者の方が流行に敏感

ライトノベルの作風の流行は、時代によって推移しています。

例えば、昔は剣と魔法のバトルファンタジーや学園モノが主流となっていましたが、近年は異世界転生系やラブコメ要素の強いストーリーが流行っています。

売れるライトノベルを書くためには、常にアンテナを張り巡らせて「売れ筋」を分析しなければなりません。

特に流行りに敏感な20代の若者は自然と認識できていることが多いため、このことに関しては年配の作家よりも有利となりやすい傾向があります。

ただし、年齢が若くてもレーベルの求める「売れ筋」かつ「時代にマッチした」作品が書けないライトノベル作家は、ふるいにかけられてしまいます。

「若いからライトノベル作家になれる」という訳ではなく、「流行りに敏感な方は若者に多いため、ライトノベル作家としての需要がある」と考えた方が良いかもしれません。

ライトノベル作家をめざすのに年齢制限はない

では、年齢を理由に新人賞の選考からはねられてしまうのか?というと、そんなことはありません。

ライトノベル作家になるのに年齢制限はなく、ライトノベルの各新人賞においても比較的高年齢の作家が入賞した事例もたくさんあります。
一部を紹介しましょう。

電撃小説大賞

第22回銀賞 結月あさみ 41歳
第18回メディアワークス文庫賞 成田名璃子 35歳 / 茜屋まつり 42歳
第19回大賞 成田名璃子 35歳

MF文庫Jライトノベル新人賞

第13回優秀賞 まほう勇太 34歳

集英社ライトノベル新人賞

第7回金賞 森月真冬 35歳
第5回特別賞 妹尾尻尾 34歳
第4回特別賞 河元崇 35歳

さらに、現在比較的高年齢でも現役のライトノベル作家として活躍している人もたくさんいます。

例えば「モンスターメーカー」の作者・鈴木銀一郎は、66歳の時に電撃文庫から「最後の竜戦士 – モンスターメーカークロニクル」を出版しました。

また、2001年にデビューした田村登正は、当時50歳を超えており、ライトノベル作家としては異例となる高年齢デビューとして当時多いに話題となりました。

他にも、「サリー&マグナム OF THE GENUS ASPHALT」の作者・てり は、デビュー当時45歳でした。
こちらも遅咲きのデビューとして話題を集めました。

このように、ライトノベル作家をめざすのに、年齢制限はありません。
何歳であっても平等にチャンスは巡ってくるのです。

まとめ

ライトノベル作家になるには、読者ターゲットが10~20代の若年層であることから「年齢制限があるのでは?」と思ってしまいがちですが、そんなことはありません。

何歳であろうが、常に流行りを敏感に察知するアンテナと、売れ筋を見極める観察眼さえあれば、デビューできるチャンスは十分あるのです。